カプサイシン受容体であるTRPV1は、皮膚において痛み刺激を受容する重要なイオンチャネルである。長年、TRPV1のみが灼熱痛の主体を成すと考えられてきたが、本研究ではアノクタミン1という別のイオンチャネルがTRPV1による痛み信号を増強していることを解明した。また、カプサイシンによる痛みがアノクタミン1阻害薬により減弱することが判明した。このことから、アノクタミン1を標的とした鎮痛薬はより良い治療戦略になるものと期待される。 また、アノクタミン1阻害効果を持つ新規化合物を発見し、これは鎮痛薬開発における新たなシーズとなることが期待される。
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