本研究の目的は、線量および画質評価に基づいて体幹部CT検査における至適撮影条件を検討することである。管電流変調機能(TCM)を含むシミュレーションモデルを構築し、シミュレーション計算を行うことで成人および小児腹部-骨盤CT検査時の臓器線量を推定した。また、この計算値を実測値と比較し、シミュレーション結果の妥当性を検証した。一方、CT画質を評価するため、代表的な成人の腹部径を模擬した画質評価ファントムを作成した。TCM使用時と管電流一定の条件で画質評価ファントムを撮影し、画質と線量を評価したところ、TCMを用いることで線量分布は均一になり、画像ノイズが大きい箇所が少なくなっていることが分かった。
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