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2016 年度 実施状況報告書

フラットニングフィルターフリービームの基本物理線量特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K19204
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

尾方 俊至  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90460576)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードフラットニングフィルターフリー / フラットニングフィルター充填 / 極性効果 / 電離箱
研究実績の概要

本研究の目的は、近年注目されているフラットニングフィルターフリー(FFF)の汎用型リニアックによる強度変調放射線治療計画の有用性と問題点について基本物理線量特性の視点から解明し、FFFの汎用型リニアックによる強度変調放射線治療計画の有用性と問題点を明らかにすることである。FFFリニアックの基本物理線量特性を従来のフラットニングフィルター充填(FF)と比較し、それらの違いを明らかにすることにより、がん患者症例におけるFFFの汎用型リニアックの強度変調放射線治療計画の有用性と問題点を見出し、局所制御向上ならびに有害事象低減のための放射線治療の質の向上に寄与できる定量的データを提供する。
今年度は、放射線治療における電離箱の基本物理特性である極性効果に注目した。マイクロ型電離箱線量計は、照射野サイズなどによって極性効果が大きく変化することが報告されている。このことは、ある患者の放射線治療計画の品質保証として線量測定を行う際に注意すべき項目である。そこでFFFビームにおける電離箱の極性効果補正係数をFFビームと比較した。一部のマイクロ電離箱を除いて、FFFビームにおける極性効果補正係数はFFビームとほぼ同等であった。 一部のマイクロ電離箱においては照射野サイズによって大きく変化し、線質指標が小さくなるにつれて照射野依存性の影響が大きくなることを明らかにした。一方で各電離箱において極性効果の深さ依存性や線量率依存性は認めなかった。また電位計や電離箱における個体差間に極性効果の差がないことを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

二次発がんリスクへの影響の解明を行う予定であったが、研究代表者の異動に伴い実施が困難であった。また辺縁線量測定のため、多くの照射回数が精度を高めるため必要となるが、臨床業務が多忙のため十分な照射時間が確保できなかった。

今後の研究の推進方策

昨年度の研究進捗状況は上記の様にやや遅れていると判断している。しかしながら研究の遂行過程は当初の計画通りであり、計画の変更は予定していない。
今後も、研究分担者と密に連絡を取り、それらが滞り無く進むことで計画の遅れを取り戻す予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Polarity correction factor for flattening filter free photon beams in several cylindrical ionization chambers.2016

    • 著者名/発表者名
      Toshiyuki Ogata, Kazuyuki Uehara, Masao Nakayama, Shinji Tsudou, Takashi Masutani, Takanobu Okayama
    • 雑誌名

      Radiological Physics and Technology

      巻: 9 ページ: 187-192

    • DOI

      10.1007/s12194-016-0348-3

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] MVCT2016

    • 著者名/発表者名
      尾方 俊至
    • 学会等名
      日本医学物理学会サマーセミナー
    • 発表場所
      グリーンピアせとうち
    • 年月日
      2016-09-01
    • 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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