研究課題/領域番号 |
15K19206
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研究機関 | 群馬県立県民健康科学大学 |
研究代表者 |
林 則夫 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 講師 (50648459)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | MRI / DIR / 最適化 / MRI用模擬物質作成 |
研究実績の概要 |
認知症罹患者は、我が国では現在200万人、世界では2400万人と推定されている。認知症の主なものにアルツハイマー病、脳血管性認知症、レビー小体型認知症があるが、最も頻度が高いのはアルツハイマー病で認知症全体の40~60%を占める。近年の研究で、脳委縮や血流低下が起こる前に皮質下微小梗塞が起こることがわかった。皮質下の微小梗塞が検出できれば、超早期のアルツハイマー病の診断も可能になると考える。最近になり、MRI検査においてdouble inversion recovery (DIR)法による2組織の信号を抑制できるシーケンスの利用が可能なった。このシーケンスにより、灰白質を選択的に強調することが可能である。このDIR法はパラメータ設定が複雑であり、条件の最適化する方法が確立していない。しかし、このシーケンス用いた高分解能な撮像法が明らかになれば、微小梗塞の検出が可能になり超早期の認知症の診断が可能なる。さらに日本人に適した脳モデルを作成して、脳モデルを利用したコンピュータによる病変検出システムの開発を目指す。 初年度は、基礎検討として微小梗塞検出可能な高分解能のDIR法を用いたMRI検査法を明らかにすることを目的とした。評価に必要なDIR用ファントムの作成法として、T1値を任意に設定可能な手法を確立した。さらにDIR-MRIのイメージングにおける最適化されたパラメータを自動的に算出するアルゴリズム及びソフトウェアを開発した。これより、機種や静磁場強度など条件の異なるMRI装置においてDIR-MRIイメージングにおける最適な検査手法が構築された。今後はボランティアデータの収集や臨床データを用いて、DIR-MRIにおける多群間解析のための脳モデルの構築や微小病変検出システムの開発を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は微小梗塞検出システムの開発に必要となる模擬物質の作成法とそれを用いた評価及び、DIR-MRIイメージングの最適パラメータ算出手法の手法とソフトウェアを開発したことより、おおむね順調に進展したと考える。
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今後の研究の推進方策 |
DIR-MRIによる微小病変検出システムを開発において、初年度は微小梗塞検出可能なDIR法を用いたMRI検査法を明らかにすることができた。今後は、DIR-MRIにおける日本人に適した脳モデルを明らかにする必要がある。そのためボランティア実験及び臨床データを用いて、新たなDIR脳モデルを構築する予定である。その後、コンピュータにより微小病変を検出するために必要なコンピュータによる解析手法を明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
DIR-MRI法による微小病変検出システムの模擬物質作成および模擬物質による評価用としてMRI対応頭部容器ファントムを計上していたが、安価な容器で代用することができた。
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次年度使用額の使用計画 |
DIR-MRIにおける日本人に適した脳モデルを明らかにするために、コンピュータによる画像解析ソフトウェアの購入および数値シミュレーションに必要な備品および消耗品を購入予定である。また初年度の成果発表に伴う英文校正や論文投稿費および学会発表に係る経費を計上する予定である。
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