研究課題/領域番号 |
15K19206
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研究機関 | 群馬県立県民健康科学大学 |
研究代表者 |
林 則夫 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 准教授 (50648459)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | MRI / DIR / 微小梗塞 / 認知症早期発見 / Zスコアマップ |
研究実績の概要 |
本研究課題は認知症の超早期診断のための微小梗塞検出システムの開発を目指したものである。そのために、以下の3点について調査を行っている。I.微小梗塞検出可能な高分解能のDIR法を用いたMRI検査法を明らかにする。II. 日本人に適した灰白質の脳モデルを明らかにする。III.微小梗塞をコンピュータにより検出する方法を明らかにして、微小梗塞検出システムを開発する。初年度に、DIR法を用いた最適なMRI検査方法の検討を行い、最適な検査方法を確立した。2年目は目的のⅡおよびⅢについての検討を行った。日本人に適した灰白質の脳モデルを作成するため、ボランティアおよび臨床データによるDIR画像からモデルデータを作成した。モデルデータは得られた各々のDIRデータを非線形変換処理により1つの標準座標系に変換した。その後、標準座標系に変換されたデータから平均画像および標準偏差画像を作成することができた。これら2つのデータを日本人に適した脳モデルデータとした。この脳モデルデータにより、微小梗塞をコンピュータにより検出するための解析アルゴリズムの基礎を構築することができた。構築した解析アルゴリズムは、作成した標準モデルデータに解析群のデータを非線形変換で形状変換したのちにZスコアマップを用いて、微小梗塞部位などの異常信号部位を定量的なマップに出力して視覚的及び定量的に表現するものである。今後は、このモデルデータおよび解析アルゴリズムを認知症の早期発見につなげるために改良するとともに、臨床データの解析を行い本研究の精度を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書に沿った形で研究が遂行されている
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の最終年度になる本年度は、本研究のまとめの時期に位置するため、これまでの研究成果を統合しながら開発した定量解析アルゴリズムをより洗練させるとともに,臨床データによる解析を行い研究成果の臨床的有用性を明らかにしていく予定である。あわせて研究成果を国際学会や学術雑誌への成果論文として報告する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果発表を予定していた国際学会へ参加することができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度の研究成果報告(学会発表や論文投稿費、英文校正費など)に計上して、研究成果を社会に還元するよう努める。
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