効果的ながん放射線治療の一つである重粒子線治療の適用症例拡大を目指して、重粒子線に特化した人体挿入可能な小型線量計開発に取り組んだ。シンチレータ特有の消光効果による精度劣化を補償するため、出力応答と発光色の異なる二種類のシンチレータを使用して高精度と小型の両立を目指した。網羅的調査からGAGGとYAPのシンチレータ結晶を用いたプロトタイプ線量計を製作したが、GAGG結晶の吸光・蓄光特性のために想定通りの応答が得られなかった。しかし問題を回避する方法は提案できており、あと一歩のところまで開発できた。
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