研究課題/領域番号 |
15K19216
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研究機関 | 公益財団法人若狭湾エネルギー研究センター |
研究代表者 |
伊東 富由美 公益財団法人若狭湾エネルギー研究センター, 研究開発部, 主査研究員 (10549489)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 線量分布 / 発光強度分布 / 蛍光板 / オンラインモニタリング |
研究実績の概要 |
本研究では、より高度な放射線治療の提供を目指し、可視化システムの開発に取り組んでいる。主に、陽子線を蛍光板に照射すると、蛍光板が発光することを利用した、蛍光発光分布を線量分布に変換する「オンライン線量分布可視化システム」の開発を進めている。H28年度は下記2項目について研究を行った。 ・陽子線の蛍光板での発光事象の把握 ビデオカメラで蛍光板への放射線入射で発光した蛍光を撮影し、撮影した動画をff-mpegを用いて静止画に変換して陽子線入射時の蛍光発光分布を取得した。この蛍光発光分布をimage-Jを用いて解析し、この蛍光発光分布の「バックグラウンド輝度値の時間依存性」、「陽子線における水中深度線量分布」を評価した。 ・オンライン可視化システムの構築 「透視投影変換」、「バックグラウンド減算」のプログラムを構築し、システムを概成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H28年度は「陽子線に対する蛍光板での発光事象の把握」と「オンライン可視化システムの構築」の研究を行うことで、システムが概成したため、おおむね順調である。 ・陽子線に対する蛍光板での発光事象の把握 「バックグラウンド輝度値の時間依存性」・・・ビーム出射間の光量は有限の時間変化を示した。そのため、陽子線が照射されていない時のバックグラウンドを蛍光発光画像から差し引いた。 「陽子線における水中深度線量分布」・・・水中深度方向の線量分布と蛍光発光分布を取得した結果から、蛍光板で得た蛍光発光分布から水中線量分布を取得できることを示した。 ・オンライン可視化システムの構築 「透視投影変換」、「バックグラウンド減算」をシステムに組込み、計算機で動作させてシステムの評価を行った。試作機で撮影したのち、生データを積分した2次元画像に、強度に応じた色づけをして画面に表示することが可能であることを確認した。また画像中の任意の点でのY方向の断面プロファイルを画面に表示できることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は、次のとおりである。 ・陽子線に対する蛍光板での発光事象の把握 複数のカメラで蛍光板の放射線入射で発光した蛍光を撮影した動画をff-mpegを用いて静止画に変換し、陽子線入射時の蛍光発光分布を取得する。その発光分布をimage-Jを用いて解析し、複数のカメラの蛍光発光分布の違いを評価する。 ・オンライン可視化システムの構築 「プロファイル空間軸にスケールを追加」、「ピーク点の座標と発光輝度値を表示」、「変換関数の変更」の3つの機能を追加する予定である。
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