高齢化に伴い,ポリファーマシーが問題となっている.本研究の目的は,複数の生活習慣病治療薬を併用することで生じる副作用を同定し,公開されている医薬品副作用データベースを利用して,生活習慣病治療薬の併用と副作用発現の関係を定量的に評価することである.具体的には,以下の課題について回答を与えることである.(1) 薬剤併用における生活習慣病治療薬併用に伴う既知副作用の把握,(2) 薬剤併用に伴う副作用発現を検出するための新しい指標・アルゴリズムの提案,(3) 生活習慣病治療薬併用と副作用発現の関係の定量化,である.(1) について,高血圧症,糖尿病,脂質異常症に対する薬剤の添付文書213報をダウンロードし,薬剤クラス別に副作用情報を収集・整理し,既知の副作用を特定した.(2) に関して,薬剤併用に伴う副作用を検出するための新しい指標を提案した.本成果は,2016年の学術会議で発表し,2017年に学術論文として公刊した.(3) に関して,公開されている医薬品副作用データベースの品質チェックを行い,解析用データセットを作成中である.(2) で提案したシグナル検出法ならびに既存のシグナル検出法を用いて解析した結果を国際会議で発表する.
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