自己制御機能の高さは子どもの健全な成長に欠かすことができない。本研究では、「浜松母と子の出生コホート」のデータを用いて、出生季節が幼児期の自己制御機能(エフォートフル・コントロールの高さ、攻撃性の低さ)に与える影響を検討した。母子に対する面接や発達検査の結果、親の年齢や世帯収入などの影響を考慮してもなお、春生まれもしくは夏生まれの18ヶ月児は、冬生まれの幼児よりもエフォートフル・コントロールが高く攻撃性が低いことが示された。この知見は、温暖な季節に生まれることがその後の自己制御機能の発達をうながすことを示唆している。今後は、出生季節がいかにして自己制御機能に影響するのかを解明する必要がある。
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