研究課題
1)基礎データベースの構築2006年から2008年のベースライン調査を実施した対象者約1200名のうち、2010年から実施されている追跡調査に参加した853名について、ウェスト周囲径、体脂肪率、腹腔内脂肪量、皮下脂肪量、脂肪肝指数(肝脾CT値比)、インスリン抵抗性指数HOMA-R等、肥満指標・糖尿病関連指標、および冠動脈石灰化、頚動脈IMT・頚動脈プラーク等、潜在性動脈硬化指標などの、平均7年間における経時的変化(進展度)を定量的に評価し、既存のベースライン調査データベースと統合し、データベースを完成させた。2)保存血清検体を用いたイリシンの定量的測定本申請研究費により、2006年から2008年のベースライン調査を実施した対象者男性のみ1094名について、外部委託機関に依頼し、ベースライン調査で既に採取・凍結保存済みの血清検体を用いてイリシンを定量的に測定した。
2: おおむね順調に進展している
本研究は、研究計画通りに、おおむね順調に進展している。
1)統合データベースの構築:測定したイリシンの定量的測定値と基礎データベースを統合したデータベースを完成させる。2)データの解析:統合データベースをもとに、イリシンの定量的測定値と、以下の指標との関連について、解析を行う。1.運動指標(運動習慣、7日間にわたる活動量・歩数、等)。2.肥満指標・糖尿病関連指標(ウェスト周囲径、肥満度、体脂肪率、腹腔内脂肪量、皮下脂肪量、脂肪肝指数 [肝脾CT値比]、空腹時血糖値、HbA1c、インスリン抵抗性指数HOMA-R、等)。3.生活習慣、心理・社会的指標(詳細な食習慣、服薬状況、抑うつ度、睡眠習慣、睡眠の質、婚姻状況、学歴、職業歴、等)。4.診察室・家庭血圧値、血液尿生化学指標、バイオマーカー(炎症マーカー、アディポサイトカイン、心バイオマーカー、等)。5.潜在性動脈硬化指標(冠動脈石灰化、頚動脈IMT・頚動脈プラーク、脈派伝播速度、ABI)。3)成果公表:解析結果をもとに、漸次、学会・論文等での成果公表を進める。これを通じて、イリシンの予測因子・危険因子(または予防因子)としての意義、および関連する生活習慣・要因を明らかにすることにより、イリシンという新たな視点から、運動の肥満・糖尿病・動脈硬化予防メカニズムに関する検討に有益な資料を提供する。
外部委託機関への血液検体送付・データ整備・管理のために臨床検査技師等の有資格者である研究補助員を雇用する予定で人件費・謝金分を計上していたが、研究費の有効利用・節約を目的として本研究代表者自らが上記作業を実施したため、その分次年度使用額が生じた。
イリシン測定結果について膨大なデータとなるため、これを整備・管理する目的で研究補助員の雇用に使用する計画とする。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件)
Atherosclerosis
巻: 246 ページ: 141-147
10.1016/j.atherosclerosis.2015.12.027. Epub 2015 Dec 23.
https://cera.shiga-med.ac.jp/
https://hs-web.shiga-med.ac.jp/sessa/index.html