本研究は一般地域住民から年齢層化無作為抽出した集団のうち協力が得られた者を対象として、頭部MRI撮像による無症候性脳血管障害と潜在性動脈硬化指標および危険因子の測定を実施している既存の前向きコホートの成績を用いて、食生活が認知機能に及ぼす影響を臨床的、形態的に検討を行うものである。 神経心理検査CASI(Cognitive Abilities Screening Instrument)を用いて臨床的に評価した認知機能と食習慣の関連を横断的に検討した結果、年齢、教育歴で調整したCASIスコアは、野菜の摂取量が少ないほど低く、生活習慣や代謝疾患の有無、さらに食品摂取頻度で調整してもこの関連は変わらなかった。また、頭部MR画像を用いて評価した白質病変容積が大きいほどCASIスコアは低かった。
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