Microbleedsを用いた細動脈硬化症による脳卒中発症の病態解明

2015 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 15K19230
• 研究機関: 長崎大学
• 研究代表者: 山梨 啓友 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (60709864)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2018-03-31
• キーワード: 脳卒中 / cerebral microbleeds / 頭部MR

研究実績の概要

健常者の頭部MR T2*強調画像では、無症候期にCerebral Microbleeds(CMB)の所見を認めることがあり、このCMB有所見者は脳卒中や認知機能低下を来すリスクが高いことが報告されている．CMBの分布については、脳葉を中心としたタイプと、大脳基底核などを中心としたタイプに大別され、発生における機序の違いがあるといわれる．CMB有所見者での臨床的な介入はまだ確定されていないが、今後疾病の予防が行われる可能性がある．こうした予防・治療の開発には簡便にCMBを特定することが必要だが、現在は頭部MRを用いなければ同定できない．本研究は、CMBと関連する臨床指標との関連を横断的に調査し、頭部MR以外の方法でCMB有所見者を特定する臨床指標を開発することである．対象者は、2013年1月1日から2015年12月31日までの３年間に長崎県五島中央病院において頭部単純MR T2*強調画像を撮影した成人患者で定期通院する医療関連施設があるものに対して、研究に関する説明を十分に行い、研究協力の依頼し、文書による同意を得られた者を対象被験者とした．脳卒中既往者、認知症患者は除外した． 平成27年度に長崎大学医歯薬学倫理審査、ゲノム倫理審査の承認を経て、対象被験者18名をエントリーした．

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画は研究費の制約により国内サイトでのみ実施することと修正したが、倫理審査を終え、対象被験者のエントリーを順調に進めている．

今後の研究の推進方策

対象被験者200名をエントリーする予定である．

次年度使用額が生じた理由

研究対象被験者のリクルートが年度をまたいだたため、血液サンプルの測定等にかかる費用が必要となったため．

次年度使用額の使用計画

対象被験者のリクルートを継続し、予定の検査項目の測定を実施する．

研究成果

• [雑誌論文] Association between adult short stature and cerebral microbleeds (2016)
  • 著者名/発表者名: Yamanashi H, Shimizu Y, Nagaoki K, Murase K, Koyamatsu J, Nobuyoshi M, Nagayoshi M, Kadota K, Tamai M, Tateishi Y, Tsujino A, Maeda T
  • 雑誌名: International Journal of Stroke 巻: 11 ページ: NP27-29
  • DOI: 10.1177/1747493015620810
  • 査読あり
• [雑誌論文] The association between living alone and frailty in a rural Japanese population: the Nagasaki Islands study (2015)
  • 著者名/発表者名: Yamanashi H, Shimizu Y, Nelson M, Koyamatsu J, Nagayoshi M, Kadota K, Tamai M, Ariyoshi K, Maeda T
  • 雑誌名: Journal of Primary Health Care 巻: 7 ページ: 269-273
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Exercise-Induced Pulmonary Edema in a Triathlon (2015)
  • 著者名/発表者名: Yamanashi H, Koyamatsu J, Nobuyoshi M, Murase K, Maeda T
  • 雑誌名: Case reports in medicine 巻: - ページ: 968152
  • DOI: 10.1155/2015/968152
  • 査読あり
• [学会発表] トライアスロンで発症した運動誘発性肺水腫 (2016)
  • 著者名/発表者名: 山梨啓友、小屋松淳、前田隆浩
  • 学会等名: 日本プライマリ・ケア連合学会長崎支部会
  • 発表場所: 長崎大学医学部基礎研究棟（長崎県、長崎市）
  • 年月日: 2016-01-30
• [学会発表] 脳MRにおける微小出血(Cerebral Microbleeds)と身長との関連 (2015)
  • 著者名/発表者名: 山梨啓友、清水悠路、小屋松淳、永吉真子、玉井慎美、前田隆浩
  • 学会等名: 第74回日本公衆衛生学会
  • 発表場所: 長崎新聞文化ホール（長崎県、長崎市）
  • 年月日: 2015-11-05
• [学会発表] he association between single household family structures and frailty in a rural Japanese male population (2015)
  • 著者名/発表者名: Hirotomo Yamanashi, Yuji Shimizu, Mark Nelson, Jun Koyamatsu, Mako Nagayoshi, Koichiro Kadota, Koya Ariyoshi, and Takahiro Maeda
  • 学会等名: 第六回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会
  • 発表場所: つくば国際会議場（茨城県、つくば市）
  • 年月日: 2015-06-13
• [学会発表] The association between single household family structures and frailty in a rural Japanese population: the Nagasaki Islands study (2015)
  • 著者名/発表者名: Yamanashi H, Shimizu Y, Nelson M, Koyamatsu J, Nagayoshi M, Kadota K, Tamai M, Ariyoshi K, Maeda T
  • 学会等名: International Conference on Frailty and Sarcopenia Research
  • 発表場所: ボストン（米国）
  • 年月日: 2015-04-23 – 2015-04-25
  • 国際学会
• [学会発表] 中央ベトナムにおいて入院した脳卒中患者の発生率および致命率に関する研究 (2015)
  • 著者名/発表者名: 山梨啓友、鈴木基、西田レイミント、清水悠路、前田隆浩、有吉紅也
  • 学会等名: 第112回日本内科学会
  • 発表場所: みやこめっせ（京都府、京都市）
  • 年月日: 2015-04-11