【目的】日本人妊娠糖尿病女性(GDM)で授乳による膵β細胞保護・糖尿病発症抑制への影響を明らかにする。【方法】2010年から2016年に当院でGDM単胎妊娠で分娩管理を行った564例に、産後1年・3年・5年に75gブドウ糖負荷試験を施行した。【結果】産後1,3,5年の糖尿病/耐糖能異常発症の有無と、産後1-3か月の授乳状況や授乳期間との関連は認めなかった。産後3ヵ月時点の完全母乳群で非完全母乳群と比較して、産後3ヵ月・産後1年のHOMA-Rが有意に低く、産後3ヵ月のDisposition Index(DI)が有意に高かった。【結語】産後3か月以内の完全母乳でインスリン抵抗性改善効果を認めた。
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