本研究課題では慢性心不全を有する高齢患者を想定し、患者自身が生活習慣の把握や管理を可能とするコンテンツ・機能の提供によって行動変容の促進を支援し、高齢患者の心不全重症化予防に貢献することを目指す。本年度は、H28年度に改善した高齢者向け生活習慣改善支援システムに、視覚教育コンテンツとして、食品模型(フードモデル)参照機能を組み込んだ。80kcalに相当する約500種類の食品を6つのグループに分けた『食品交換表』を参考として、平成27年度に選定済みの日常でよく使われる食品75種を登録・編集・削除するためのプログラムを実装した。管理者側のフード新規登録画面より、食品の詳細情報として、カテゴリ、写真画像、品名、重量、エネルギー量、水分、蛋白質、脂質、炭水化物、塩分、備考が登録可能となっている。なお、登録できるカテゴリは、表1(穀物/いも/炭水化物)、表2(くだもの)、表3(魚介/肉/卵/チーズ/大豆)、表4(牛乳/乳製品)、表5(油脂/多脂性食品)、表6(やさい)、調味料、嗜好食品とした。管理者側より登録されたフードモデル情報は、患者側の画面にて、(1)カテゴリを選ぶ→(2)選んだカテゴリに収録されている食品名(一覧表示)を選ぶ→(3)選んだ食品名の詳細情報(主に写真画像、重量、塩分、備考)を表示する手順で、参照が可能となる仕組みとした。このほか、患者ユーザーごとに、ログインボタン、登録ボタン、各種設定ボタンが押されたタイミングで、ログを取得する機能を追加した。また心不全においては、体重評価が自己管理を総合的に評価する上で重要な基準となるため、体重値の増減に連動し、自動で良好・やや良好・不良を視覚的に提示する機能を設けた。前日の体重値と比較して、増加が0.5kg未満の場合を良好、1kg未満の場合をやや良好、1kg以上ならば不良とし、アイコンが自動的に切り替わる仕組みとなっている。
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