気象データ(気圧、降水量、平均気温、最高気温、最低気温、湿度、風速、日照時間、降雪量)については、情報を入手するためのシステムを開発し、データを入手した。 1972年1月から2013年12月の日毎の疾患毎の死亡データ(人口動態調査データ)と環境要因の関連性を解析したところ、複数の疾患で環境要因との有意な相関がみられた。例えば、1972年1月から2013年12月の日毎の自殺者数、日毎のK指数値、自殺に関係していると考えられる月毎の失業率、日毎の黒点数、気象データを用い、目的変数を日毎の自殺者数、説明変数を日毎のK指数、月毎の失業率(%)、日毎の黒点数、気圧(hPa)、降水量(mm)、平均気温(℃)、最高気温(℃)、最低気温(℃)、湿度(%)、風速(m/s)、日照時間(h)、降雪量(mm)として男女毎に重回帰分析を行った。男性では、日毎のK指数値と日毎の自殺者数に統計学的に有意な相関がみられたが、女性では統計学的に有意な相関はみられなかった。これは、日毎の地磁気の擾乱と自殺者数との相関を示す、我が国において最初の報告である。今後、より詳細な解析を実施する予定である。 ドイツの疾患天気予報の研究者とコンタクトをとったものの、訪問のタイミングが合わず訪問できていない。 電子カルテ情報については、NIH/NINDSのシステム責任者と面談し、米国・NIHの臨床のビックデータ用いた取り組みについて話を伺う機会を得た。日本のデータを用いて仮説を生成し、その検証を米国のデータを用いて実施することについて合意を得た。
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