研究実績の概要 |
コリスチン耐性プラスミドに関連する研究を行った。実験には地球規模課題対応国際技術協力事業(SATREPS)「薬剤耐性細菌発生機構の解明と食品管理における耐性菌モニタリングシステムの開発」でにおいてベトナムの鶏肉及び豚肉から分離した、β-ラクタマーゼ産生大腸菌342株を用いた。プラスミド性コリスチン耐性遺伝子(mcr-1, 2)の保有状況を調査したところ、一部の菌株がmcr-1を持つことがわかり、mcr-2は検出されなかった。特に鶏肉から分離された株からmcr-1の検出率が高いことが判明した。を保有する株の一部(40株)を用いて、プラスミド伝達実験を行った。40株中17株でプラスミドの水平伝達が確認できた。水平伝達したプラスミドについて次世代シーケンス解析を行った結果プラスミドのレプリコンタイプはすべてIncI2であり、2015年に初めて中国で報告されたプラスミドと類似していることが判明した。またプラスミドの水平伝達が確認できなかった株の一部についてホールゲノムシーケンスを行ったところ、mcr-1を有するプラスミドのレプリコンタイプはIncHI2であった。この結果からmcr-1を有するIncI2及びIncHI2プラスミドは中国で報告されており、中国からベトナムにコリスチン耐性菌もしくは耐性プラスミドが伝播していると推測された。
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