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2015 年度 実施状況報告書

次世代型医療器材に対応する洗浄法の開発と評価

研究課題

研究課題/領域番号 15K19259
研究機関東京大学

研究代表者

齋藤 祐平  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90422295)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード医療器材 / 再生処理 / 洗浄 / 洗浄評価 / 感染防止
研究実績の概要

汚染除去の難度が高い医療器材に対しても効率的な洗浄が可能となる洗浄法の開発と検討をおこなった。医療器材の洗浄は、交叉感染の発生リスクを抑制するための臨床現場の重要業務であり、医療機器開発とも歩調を合わせた進展が必要である。本研究では、低侵襲手術の進歩や新しい手術手技の発展にともなう高機能化と小型化により構造が複雑化した次世代型の医療器材にも対応可能な洗浄システムの開発とその能力の検証を目指した。

医療器材の新しい洗浄法を考案した。高圧で噴射した洗浄液および高温のスチームを対象表面に隙間なく噴射することで、効果的かつ効率的な汚染除去を可能にする方式を採用した。洗浄システムは、汚染除去のために装置先端のアタッチメントから水、洗浄液および高温スチームのいずれかを噴射するものとし、高圧水または高温スチームの供給のために市販品を利用したそれぞれの発生装置に高圧配管を介して接続する構造とした。

また洗浄の対象となる医療器材の構造的特徴が汚染除去の難度に与える影響を明らかにするため、溶液への浸漬を繰り返したときに得られる手術器械からの溶出タンパク質量のパターンを検討した。手術器械の構造的特徴(ヒンジ、生体組織に接触する凹凸部、ステンレス板の接合部)の有無によって残留タンパク質の溶出パターンが異なることが明らかになり、手術器械を水槽等に複数回浸漬したときのタンパク質溶出パターンに基づいて器械の構造を定量的に分類できることが示唆された。また、このような客観的手法に基づく医療器材の分類を利用することで、医療器材の種類ごとの最適な洗浄条件が提案できると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験場所での漏水防止対策の検討、および実験環境の整備に時間を要した。また耐高圧の配管部品の選定と調達に時間を要した。

今後の研究の推進方策

洗浄液またはスチームを吐出するアタッチメントの噴射口について、その形状、大きさ、方向、個数などによる噴射力の違いと洗浄効果への影響を検討する。

次年度使用額が生じた理由

実験環境の整備に時間を要したために、アタッチメントの試作と改良が十分に進展しなかった。

次年度使用額の使用計画

計上していた費用は当初の目的に沿って平成28年度に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 手術用ドリルおよびエネルギーデバイスの仕様と手術室環境表面の汚染2016

    • 著者名/発表者名
      齋藤祐平、安原洋、村越智、小松孝美、深柄和彦、上寺祐之
    • 学会等名
      第31回日本環境感染学会総会・学術集会
    • 発表場所
      国立京都国際会館・京都市
    • 年月日
      2016-02-20 – 2016-02-20
  • [学会発表] 残留タンパク質の溶出パターンからみた手術器械の易洗浄性の分類2015

    • 著者名/発表者名
      齋藤祐平、安原洋、村越智、小松孝美、深柄和彦、上寺祐之
    • 学会等名
      第90回日本医療機器学会大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜・横浜市
    • 年月日
      2015-05-30 – 2015-05-30

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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