「危険ドラッグ」として乱用が拡大し、急性中毒事故等が発生している「合成カンナビノイド」の一つであるAM-2201を長期連続投与したマウスの大脳等について、内因性代謝物の総体解析であるメタボローム解析ならびに遺伝子発現解析を実施した。メタボローム解析の結果、急性中毒時に観察されていたエネルギー代謝の擾乱が長期投与後にはコントロールのレベルに近づいていることが明らかとなった。また、エネルギー代謝に関連する遺伝子の発現も長期投与後に有意差が観察されなかった。以上の結果、長期投与によって薬物耐性が生じ、合成カンナビノイドによって誘引されるエネルギー代謝の擾乱が収束していることが示唆された。
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