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2016 年度 実施状況報告書

乱用薬物のLong Interspersed Element 1転移機構 の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K19278
研究機関明海大学

研究代表者

奥平 准之  明海大学, 歯学部, 助教 (10635585)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードレトロトランスポジション / LINE-1 / 乱用薬物
研究実績の概要

初年度には、モルヒネ、クエン酸フェンタニルについてLINE-1レトロトランスポジション(L1-RTP)誘導機序を明らかにした。モルヒネ、クエン酸フェンタニルは、toll like receptor 4(TLR4)依存的にL1-RTPを誘導した。また、その現象は神経細胞特異的であった。
昨年度まで、向精神薬のイミプラミン、ハロペリドール、フルオキセチンがL1-RTPを誘導することを培養細胞で明らかにした。また、この現象は、神経細胞のSH-SY5Yでは誘導されるが、神経細胞以外の細胞株(Hela:子宮頸がん)では誘導されなかった。L1-RTPは、野生型のレポーター遺伝子(L1-neoR WT)では、イミプラミンでL1-RTPを誘導するが、LINE-1のORF2の配列中にある逆転写酵素に変異をいれたレポータープラスミド(L1-neoR D702A)では、L1-RTPを誘導しなかった。L1-RTPはDNA二重鎖切断で誘導されるという報告があるが、イミプラミンはウエスタンブロットによるγH2AX(DNA二重鎖切断のマーカー)発現を誘導せず、細胞の免疫染色からもγH2AXの発現は誘導されなかった。そこで、DNA二重鎖切断以外の細胞内シグナルがイミプラミンのL1-RTPに関与している可能性を考え、神経細胞に発現にしているNMDA受容体の阻害剤で細胞を前処理して実験を行った。その結果、NMDA受容体の阻害剤でイミプラミンのL1-RTPは抑制された。再現性を含めて追加実験を進行中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、2年で乱用薬物のL1-RTPの誘導の有無を解析し、その細胞内シグナルを明らかにしてきた
。論文発表もしており、研究成果は得られている。

今後の研究の推進方策

現在は、乱用薬物によってL1とどのような因子が相互作用するのか免疫沈降実験を行って実験中である。また、最終年度の予定にあったL1の挿入歌所を明らかにするべく実験を行っている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Morphine and Fentanyl Citrate Induce Retrotransposition of Long Interspersed Element-1.2016

    • 著者名/発表者名
      Okudaira N, Ishizaka Y, Nishio H, Sakagami H.
    • 雑誌名

      In Vivo

      巻: 30 ページ: 113-118

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] トランスポゾンの歴史と食品への利用2016

    • 著者名/発表者名
      奥平准之
    • 雑誌名

      New Food Industry

      巻: 58 ページ: 29-32

    • 査読あり
  • [学会発表] Involvement of long interspersed element 1 Retrotransposition induced by imipramine.2017

    • 著者名/発表者名
      奥平准之、坂上宏.
    • 学会等名
      第90回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      長崎
    • 年月日
      2017-03-15 – 2017-03-17

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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