アルツハイマー病 (AD) の危険因子であるインスリン抵抗性のADに対する作用について、モデルマウスを用いて検証した。変異インスリン受容体のノックインマウスと、ADモデルマウスを掛け合わせ、インスリン抵抗性ADモデルマウスを作製し、その表現型を調べた。このマウスは、老人斑の蓄積に影響を与えなかったが、行動解析により長期記憶の低下・不安の欠如・抑うつといった神経精神症状を呈することを明らかにした。オメガ-3脂肪酸は特に抑うつ症状について顕著な効果を示すことが明らかとなった。これらの成果は、ADの予防・治療戦略の開発に貢献するものと考えられる。
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