研究成果の概要 |
サルコペニアは全身の筋量と筋量減少を呈する症候群で、高齢者に多く見られるが、そのメカニズムは明らかになっておらず、治療法も確立されていない。我々は炎症と筋萎縮の関連に着目し、HMB (ロイシンの代謝産物), ビタミンD、補中益気湯の効果を検討した。HMBとビタミンDには、筋萎縮モデルマウスの筋萎縮を軽減し、筋萎縮関連因子の上昇を抑制し、血中インターロイキン6の上昇を抑制する効果を認めた。また補中益気湯が過酸化水素による筋細胞の炎症、障害を抑えることを示した。HMB, ビタミンD, 補中益気湯が炎症抑制効果を介してサルコペニア治療に有益である可能性が示唆された。
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