我々の研究では、日本において住民視点からプライマリーケアを測定する評価用紙の開発及び都市部以外でのプライマリーケアの実践の評価及び患者満足度の評価を行った。 上記の研究を行う上で、我々は3つの評価用紙を使用して調査を行った。1つ目は、米国で開発されたプライマリーケアを評価するPCAT(Primary Care Assessment Tool)、2つ目はPCATを日本用に開発されたJPCAT(Japanese version of Primary Care Assessment Tool)、3つ目は同様に英国で使用されているGPAQ(General Practice Assessment Questionnaire)である。それぞれの特徴があり、PCATでは幅広くプライマリーケアを測定するものであるが、JPCATは日本国内で広く使用できるように包括的な診療内容などの評価については省略されている。本研究では都市部以外での包括的なプライマリーケアの実践状況を把握するために、原本の評価用紙であるPCATを改めて翻訳して、日本におけるプライマリーケアの評価を幅広い視点から評価した。またGPAQの評価用紙の特徴は、PCATと同様にプライマリーケアのアクセス・継続性の評価に加えて、担当した医師の診察の質(コミュニケーションや診察時間の長さなど)を診療終了後に評価する点が異なるもので、より医師一人一人の診療の質を評価することが出来る。 本研究ではPCAT及びGPAQを日本の現状に合うように翻訳し、妥当性と信頼性の検証を行った。共に作成された評価用紙は本調査により妥当性及び信頼性は確保されたツールであることが示された。
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