慢性偽性腸閉塞症は、腹部膨満や嘔気、低栄養状態など長期間にわたって来す難病である。主な治療は拡張した腸管の持続的な減圧だが、従来の方法(経鼻イレウス管)では咽頭痛など患者苦痛が強く、減圧中は入院が必要である。今回は胃瘻の瘻孔からチューブを小腸に留置し、経皮的に腸管減圧が可能な治療法(PEG-J)を考案し、その有用性を検討した。その結果、PEG-Jは自覚症状の改善、栄養状態の改善に大きく貢献することが示された。PEG-Jは従来の方法よりも患者苦痛が少なく、また自宅で可能な新規減圧治療となりうるものと考えられる。
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