研究課題/領域番号 |
15K19292
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
竹島 太郎 自治医科大学, 医学部, 講師 (50554565)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 症状 / ICPC / 主訴 / 現病歴 / 地域医療 / 総合診療 / プライマリ・ケア / 救急外来 |
研究実績の概要 |
本研究は、へき地診療所、小規模病院、大規模病院における受診理由の一般化可能性の検証、救急外来における受診理由と在宅診療における往診理由の抽出、各診療形態における現病歴を含めた症状を分析することを目的としている。これらの症状は、国際プライマリ・ケア分類(International Classification of Primary Care; ICPC)を用いて標準化し、地域医療教育の資源として役立つ形に整理し、発信する予定である。平成27年度は、自治医科大学附属病院総合診療部門の診療録の記載を調査した。調査項目は、受診日、年齢、性別、症状、診療医師の特性である。診療録は、SOAP形式、詳細表記形式(主訴、現病歴、家族歴、既往歴等)の2種類からなり、それぞれのS(Subject)、主訴、現病歴から症状を抽出した。対象は、平成25年4月1日~平成26年3月31日までの期間に受診した16歳以上の初診患者1937例である。すべての症状を、開発中の自動抽出システムを用いて抽出し、ICPCコード化した。平成28年度は、より大規模に診療録情報を解析するため、山口県立医療センター救急外来、茨城県立中部病院救急外来、佐賀県立医療センター好生館救急外来、郡上市地域医療センター外来の診療録調査の準備を進めた。対象期間は、平成28年4月1日~平成29年3月31日の期間に救急外来を受診した16歳以上の患者約30000例である。患者リスト(受診日、性別、年齢、受診科)等はすでに整理され、症状データの抽出も可能となった。自動コーディングシステムを用いて症状を抽出し、解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
多施設共同研究のため、各医療機関で採用している電子カルテによって、診療情報の保存形態が異なるため、データ抽出法の確認と確立に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
各医療機関からのデータを適切に解析し、自動コーディングシステムを用いて、大規模にデータを解析する。更に、解析結果を学会や論文として公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
多施設共同研究のため、各医療機関における適切なデータ抽出の準備に時間を要した。
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次年度使用額の使用計画 |
データ抽出および解析に時間を要したため、学会発表や論文作成に着手できず。次年度は、追加データ集計のための人件費、研究発表のための学会参加費および旅費等、自動コーディングシステムの改良費として支出予定である。
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