研究課題/領域番号 |
15K19293
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
阿江 竜介 自治医科大学, 医学部, 講師 (70554567)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | CDI / 高齢者施設 / プライマリーケア / 老年医学 |
研究実績の概要 |
前年度、従来から継続していた既存の研究データを用いてCDI(caregiver daily impression)の具体的項目を定義し、これに関する2本の学術論文を出版した。今年度、それらの項目を用いて、研究対象施設(特別養護老人ホーム)にCDIチェックリストを配布し、施設入所者の健康状態とCDIとの関連を検証する予定を立てていた。ところが、対象施設では「介護記録のペーパーレス化」が普及されつつあり、紙媒体のチェックリストの新規導入は施設スタッフへの負担を強いることが明らかとなった。各施設の施設長と議論を重ねた結果、施設に常備されている介護用の電子媒体ソフト(医療機関で言うところの電子カルテ)にCDIチェックリストを導入する提案をいただいた。この手法を用いると、施設利用者の救急搬送を判断する根拠となったCDIに関する情報を確実に入手できるほか、記録する側(施設スタッフ)も簡便に入力することが可能となる。協力施設で現在使用されている介護用電子媒体ソフトのメンテナンスを担う2社(株式会社富士データシステムとNDソフトウェア株式会社)にそれぞれ追加導入の見積を依頼したところ、今年度の研究費予算を大きく超過することが明らかとなった。このため、新規で採択された来期(2年間)の研究費(新たに課題申請して受諾)を加えて、来年度以降に、各施設に設置された介護用電子媒体ソフトにCDIチェックリストを新規導入する運びとなった。本研究課題で獲得した研究費(残高)はすでに1年間の延長申請を行っており、この研究費は上記のCDIチェックリスト導入に使用する。1件あたり30~60万円程度の導入費を要するため、新規採択課題の研究費を上乗せする必要があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
【研究実績の概要】に示すとおりであるが、CDIチェックリストが協力施設に無事に導入されれば、データがより簡便かつ正確に入手できるようになり、研究が飛躍的に進捗することが予想できる。
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今後の研究の推進方策 |
【研究実績の概要】に示すとおりである。新規に採択された研究課題「CDIと身体所見を組み合わせて高齢者施設の新たな救急受診トリアージ手法を開発する」で獲得した研究費を加えて、来年度に協力施設の介護ソフトにCDIチェックリストを導入する。介護ソフト管理会社の見積りでは、1件あたりの導入費がかなり高額であったため、本研究課題の研究費(残高)では予算が超過する可能性があった。そのため、事前に研究費使用の延長申請を行った。来年度は、7月に協力施設への説明会を行い、秋をめどに実際にCDIチェックリストを導入することが予定されている。
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次年度使用額が生じた理由 |
協力施設の介護ソフトのメンテナンスを行う企業(2社)に見積を依頼したところ、CDIチェックリストをソフトに新規導入する費用がかなり高額となってしまうため、研究費の残金だけでは十分な導入につながらないことが予想できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
新たな研究課題が採択されたため、新たに獲得した研究費を上乗せし、複数の協力施設にCDIチェックリストを新規導入できる予定となった。本研究課題で得た研究費の残高は、この導入費に使用する。
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