研究課題/領域番号 |
15K19294
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
小松 孝行 順天堂大学, 医学部, 助教 (70621928)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 菌血症診断予測 / 食事摂取量 / 悪寒戦慄 / アルゴリズム |
研究実績の概要 |
Journal of Hospital medicineにacceptされた本研究論文(Komatsu T,et al.J Hosp Med. 2017 Jul;12(7):510-515.)は、その後2017年8月8日付のNEJM journal watchに取り上げられ一定の評価を得ることができた。しかしながら、食事摂取量の測定に関してκ検定を行い観察者間バイアスが低いことを提示(κ値> 0.8)していたにもかかわらず、査読者からはその信憑性に関する疑問のコメントがあった。 その要因として、本邦の看護業務として通常行われている入院患者の食事量測定は、米国においては原則的には食事制限中の患者以外では行われていないことが挙げられた。 このため平成29年度は、「外来問診票を用いた非医療従事者による再現性の確認」のための研究を行う方針であったが、上記の課題に対する追加研究を行う必要性を考慮したため、当該研究の開始を遅らせなければならない状況と判断した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
現実的に延長申請を行っている状況から、進捗としては遅れていると判断した。 これは、当初研究計画では平成29年度においては「外来問診票を用いた研究」を開始する予定であったが、上記の課題に対して、入院患者における食事摂取量の評価を他の客観的な方法によって確認する必要性を考慮し、食事摂取量を画像で定量化する研究を追加立案する方針としたためである。
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今後の研究の推進方策 |
前述の課題、進捗状況を考慮して以下の二つの研究計画を計画している。 ① 当初の予定としていた、外来問診票を用いて、患者自身が「寒気の程度」と「食事摂取量」を評価し、我々が開発した菌血症予測診断ツールが患者の主訴のみでも同等の有用性があるということを証明する。 ② 入院患者の食事摂取量の測定方法として、写真撮影によって食事摂取量を定量的に評価するアプリを電気通信大学 大学院情報理工学研究科と共同開発しており、数か月内の完成を見込んでいる。完成次第同アプリを用いて食事摂取量を定量化し、同じアルゴリズムによる研究を行う。 以上に関する研究を本年度に計画しているが、①により同等であることの有用性が証明できれば、本来信憑性の低いと考えられている患者自身による主観的評価が、項目によっては客観性に優れていることを示し、本研究で課題となっていた観察者間バイアスを解決する可能性がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度での研究終了が困難であると判断したため、平成30年度の延長申請を行うことが決定した段階で平成30年度への繰り越しが必要となった。平成30年度の研究計画を行うにあたり、各研究に対する協力者への謝礼や消耗品、学会発表・論文作成に対する費用へ使用する予定である。
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