研究課題/領域番号 |
15K19295
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
松田 彩子 帝京大学, 医学部, 助教 (30618997)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | QOL評価 / がん患者 |
研究実績の概要 |
患者のQOL評価を、いかに患者にフィードバックしていくかが、今後の課題である。フィードバックの方法を考えるうえで、QOL指標の評価方法論についての検討は、国際的にも関心が高く、アウトカム研究において大きな課題となっている。また、近年、QOL研究においてレスポンスシフトの問題が再検討され始めている。しかし、レスポンスシフトの評価方法に関しては、確立した手法はまだ提示されていなく、早急に解決すべき課題である。 QOL指標の評価方法論の検討では、乳がん患者のQOLデータを使用し、レスポンスシフトの影響を考慮した解析方法を現在検討している。従来の手法であるThen-Testおよび最近提示されているRandom forestの手法を用いて解析を実施し、結果は学会発表する予定で進めている。また、併せて、QOLの評価方法の提案として、現在、海外雑誌への投稿を準備している。 がん患者にQOL調査を実施することの臨床的有効性は示唆されている。しかしながら、日常診療のなかで、QOL調査票のひとつであるケアノートを取り入れた自己モニタリング(QOL自己モニタリング)を実施していくことによる患者自身および臨床への影響は明らかにされていない。 QOL指標の評価方法論に基づいたQOL自己モニタリング効果の評価を目的に、無作為化比較試験を現在すすめている。定期的に QOL自己モニタリングを実施する効果の評価として、現在は緩和ケアを受ける患者対象に、身体的負担等を考慮し、QOLと心理特性から評価を実施している。本研究より、がん診療の医療現場で定期的なQOL自己モニタリングの活用が推奨されることが期待できると考えている。 現在、緩和ケアを受ける患者対象に調査がすすめており、40名の患者に調査が終了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、緩和ケアを受ける患者対象に調査がすすめており、40名の患者に調査が終了したが、研究協力病院のスタッフの変更などで当初の予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
QOLの評価方法の提案に関する論文化を平成28年度中に実施する。また、今後、QOL自己モニタリング効果の無作為化比較試験のデータを用いてQOLの評価方法の検討を実施していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究発表を本年度(平成27年度)予定していたが、翌年度(平成28年度)実施する。 また、調査の進行状況により、人件費およびその他(調査必要物品など)は翌年度(平成28年度)にあてる。
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次年度使用額の使用計画 |
旅費:研究の打ち合わせ、情報収集、成果発表に使用 人件費・その他:調査完了時点でデータ入力のための人件費および使用物品
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