研究課題
臓器移植における最大の課題である拒絶反応を抑制、制御する薬剤の探究のため、保険適応となっている148種類の漢方薬とその構成生薬をマウス心臓移植モデルに投与し、生着延長期間を調査した。当研究は2012年度科研費(基盤研究C; H24~H26年; 課題番号24590900; 研究代表者 新見正則)で採用された研究を発展させたものである。平成28年度内で保険適応の漢方薬のほぼすべてを調査した。網羅的に解析した全148種類の漢方薬の中で、マウス心臓移植片の生着延長を示した四逆散(TJ-35)、小半夏加茯苓湯(TJ-21)、六君子湯(TJ-43)を調査した。四逆散と小半夏加茯苓湯の投与により、それぞれ約20日、70日の平均生着期間を認め、制御性T細胞の誘導を確認した。同時に、各構成生薬単独投与群も調査し、甘草投与群のみが18日間の生着延長効果を認めたため、現在甘草単独投与群、含有成分であるグリチルリチン酸投与群の調査も同時に行っている。また、六君子湯の調査では、術後1週間の投与により20日程度の軽度生着延長効果を示すとともに、術後急性期における食事摂取量低下を軽減させる効果も確認した。これは外科手術や腸閉塞時後の食欲低下時に使用される六君子湯の効果を裏付ける報告となった。当研究はChinese Journal of Integrative Medicine、Transplantation Proceedings、Surgery等に報告予定である。各構成生薬の解析は更に細分化されるため、構成生薬単独投与群の解析は、構成成分の解析も含めて行われるため、今後も継続する予定である。
すべて 2018 2017 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 備考 (1件)
Transplantation Proceedings.
巻: 50 ページ: 274-282
https://doi.org/10.1016/j.transproceed.2017.12.021
巻: 50 ページ: 283-292
10.1016/j.transproceed.2017.12.022.
Transplantation Proceedings
巻: 印刷中 ページ: -
巻: 49 ページ: 1477-1482
https://doi.org/10.1016/j.transproceed.2017.03.092
https://researchmap.jp/mautiya/