臓器移植における最大の課題である拒絶反応を制御する薬剤の探究のため、保険適応となっている148種類の漢方薬とその構成生薬をマウス心臓移植モデルに投与し、生着延長期間を調査した。148種類の漢方薬の中で、四逆散、小半夏加茯苓湯、六君子湯を調査した。四逆散と小半夏加茯苓湯の投与によって生着期間を認め、制御性T細胞の誘導を確認した。各構成生薬投与群も調査し、甘草投与群のみが生着延長効果を認めたため、含有成分のグリチルリチン酸投与群の調査も行い同様の結果を得た。また、六君子湯の調査では、術後1週間の投与により軽度生着延長効果を示すとともに、術後急性期における食事摂取量低下を軽減させる効果も確認した。
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