ヒト食道扁平上皮細胞株(Het1A)に対して,胃酸および胆汁酸を暴露し,Phenotypeの変化をqPCRで評価した.酸の暴露はKeratin5の低下およびMUC2の増加を来した.酸,胆汁酸の同時暴露ではさらにCD10の発現低下を認め,不完全型腸上皮化生の形成を強く促進することが示唆された.メチル化阻害剤を胆汁酸,酸に併用したところ,有意にCDX2が増加し,バレット食道癌の発生にメチル化異常が大きくかかわっていることが示唆された.現在,メチル化以外の新規発癌機構の探索を行うため,バレット食道癌患者から樹立した初代細胞培養株を用いてtranscriptome解析を行っている.
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