膵癌,IPMN症例の血清よりエクソソームを回収し,コントロール群と比較した.エクソソーム量は各群に差がないことを確認した.膵癌・IPMNで有意に過剰発現するエクソソームmicroRNAを次世代シークエンサーにて同定した.同定したmicroRNAを多数例の血清を用いてRT-PCRを行い,IPMNの悪性度,膵癌の予後や治療効果と相関するExosome microRNAを同定した.Exosome外のmicroRNAとExosome microRNAの比較を行い,後者で有意に診断能が優れていることを,PCRの結果およびROC曲線より確認した.既存の腫瘍マーカーとExosome microRNAの診断能を比較し,後者でIPMNや早期がんの診断が優れている可能性を確認した.上記の一部を2016年American pancreatic associationにて発表し,現在論文投稿中である. 細胞株においても膵癌細胞やIPMN細胞で上記microRNAが過剰発現することを確認した.膵癌細胞のExosomeを血管内皮細胞に処置することで遊走脳が変化することを確認した.またRNA結合蛋白を複数Knock downすることで膵癌の増殖を抑制するRNA結合蛋白を同定し,Knock downにてExosome microRNAが変化することも確認した. Exosome・RNA結合蛋白・microRNAの関連について現在追加解析中である.
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