プロバイオティクスの培養上清を分離・精製して、菌由来の新規消化管抗線維化物質を探索した。Lactobacillus caseiの培養上清から候補分子としてFerrichromeを同定したが、抗腫瘍活性のみを認め、抗炎症・抗線維化作用は認められなかった。一方、Lactobacillus brevis培養上清から同定されたポリリン酸はマクロファージのTLR4を介して、IFNα/β-JAK/STAT系シグナルを制御し、抗炎症作用を発揮した。本研究では新規物質の同定には至らなかったが、今後もプロバイオティクス由来の新規抗炎症抗線維化物質の探索を継続する。
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