麦芽乳酸菌由来のポリリン酸の腸管上皮に対する作用機序解明を目的に検討を行った.蛍光免疫染色法にてポリリン酸がインテグリンβ1を介して腸上皮細胞へ取り込まれることが確認された.その取り込みは,インテグリンβ1および脂質ラフトの主な構成要素であるカベオリン-1の発現抑制により有意に減少した.また,ポリリン酸の細胞保護タンパク誘導および腸管バリア機能増強作用はカベオリン-1の発現抑制により有意に減弱した.以上より,ポリリン酸はカベオリン-1依存性エンドサイトーシスを介して作用することが示された.high-throughput sequencing解析ではTNFAIP3を候補分子として同定した.
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