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2015 年度 実施状況報告書

大腸癌パネート細胞は有望な治療ターゲットになりうるか?

研究課題

研究課題/領域番号 15K19309
研究機関東北大学

研究代表者

黒羽 正剛  東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 非常勤講師 (70709469)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード大腸癌幹細胞
研究実績の概要

大腸癌幹細胞は治療抵抗性や上皮間葉転換(EMT)に関与する為重要な治療ターゲットである。正常腸管上皮幹細胞の維持にはパネート細胞を代表とするニッチが必須であるが、大腸癌幹細胞におけるニッチの存在は明らかではない。これまでの表面マーカーと異種移植モデルにより癌幹細胞を純化する手法ではニッチ要求性の低い細胞が選択されていると推定される。大腸癌幹細胞においてもニッチが必要不可欠であると考えられ、特に癌幹細胞発生初期はニッチ要求性が高く、癌幹細胞の遺伝子変異の蓄積によりニッチ不応性を獲得すると考えている。本研究では、ニッチ不応性を会得した大腸癌幹細胞が治療抵抗性を示しEMTをきたすという仮説を証明する事を目的とした。そこで、まずはヒト大腸癌細胞から、iPS細胞を作製する手法によりニッチ要求性の高い大腸癌幹細胞を樹立する事、作成した大腸癌幹細胞を用いて「癌パネート細胞」を同定する事とした。今年度は摘出した大腸癌組織標本から大腸癌細胞を単離、ニッチ要求性(Wntとその受容体であるFrizzled/Lrp、R-spondin/Lgr、Notchシグナル経路、BMPシグナル経路)の関連を検討した。さらには単離した大腸癌組織の3次元培地での長期培養の取得とiPS化を検証した。その結果、3次元培地内で安定したiPS化が非効率的である事が判明した。その問題の解決の為、大腸癌培養細胞を用いた安定した大腸癌幹細胞の樹立方法の確立も並行して検証している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

大腸癌幹細胞のニッチ要求性の検証を正確に行うには、大腸癌細胞から、安定し効率のよいiPS導入条件をうまく設定する必要がある。既存の方法では3次元培地内での安定したiPS作製が難しい為、4月以降はセンダイウイルスベクターを用いた導入方法を検討している。

今後の研究の推進方策

摘出した大腸癌細胞から安定的に幹細胞樹立が可能となり次第、Sphere formation assayにより作製した大腸癌幹細胞の自己複製能と腫瘍再構築能を評価する予定である。次に、樹立した幹細胞の培養培地からニッチ形成因子を一つずつ除去し、ニッチ要求性と癌細胞進行度との関連を検証する。遺伝子変異の蓄積によりニッチ要求性が異なると考えられるため、ニッチ要求性が異なる癌幹細胞群からRNAを抽出しAffymetrix 社の GeneChip Gene 1.0/2.0 ST Arrayで網羅的に遺伝子発現プロファイルを比較する。最後に、FACSによるCD24細胞のソーティングを行い、ニッチ形成パネト細胞を同定する。

次年度使用額が生じた理由

摘出した大腸癌細胞の安定培養と幹細胞化に難渋していたため。

次年度使用額の使用計画

摘出した大腸癌細胞だけではなく、大腸癌培養細胞をもちいた幹細胞化の検討に使用する。

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公開日: 2017-01-06  

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