腫瘍融解ウイルスJX-594と免疫抑制の併用によりウイルス増殖が促進し,治療抵抗性の進行癌に有効な可能性がある。治療抵抗性の原因として癌幹細胞(Cancer stem cell; CSC)が知られており,CSCに対するJX-594と免疫抑制の併用効果を検討することとした。CSCの安定した培養に難渋したが,mTeSR1培地で肝細胞癌細胞株Li-7を培養するとCSCの性質を有するCD13陽性細胞が維持され,動物実験でも腫瘍形成能が維持されることが明らかとなった。CSCに対する新規治療の検討に有用な安定した実験系が確立した。今後,CSCに対するJX-594と免疫抑制の併用効果を動物実験で検討する。
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