研究課題
本研究は、B6系マウスに感染可能なピロリ菌PMSS1株を使用してⅣ型分泌機構より上皮細胞にむけて分泌されるCagAタンパクにCreタンパクを融合させることで、上皮細胞にCreタンパクを送りこむことを主な目的としている。現在、海外の報告研究室よりPMSS1株の譲渡を受けB6系マウスへの感染が可能なことを確認し、さらにマウスにおいてピロリ菌感染による腸上皮化成を再現できることについても追加で確認した。腸上皮化成のメカニズムとして、IL-1RKOマウスでの感染実験も施行し、IL-1シグナルが重要であることと、SOX9の誘導も同じく重要であることを明らかにし、Infection and Immunity誌に報告した。PMSS1株においてのゲノム相同組み換えによるCagA融合Cre発現タンパク作成については、従来のnatural recombinationでは、セレクションマーカーであるカナマイシン耐性PMSS1株は作成されるもののゲノム相同組み換えになっておらず、random insertionされた株しか得ることができていない。解決策としてピロリ菌-大腸菌のシャトルベクターであるpHel2を使用してCagApromoter毎Cre融合タンパクをサブクローニングした後、PMSS1株への他transformationすることで、Cre発現ピロリ菌を作成する予定である。
3: やや遅れている
当初予定したPMSS1株におけるゲノム直接相同組み換えが成功しなかったため、Cre発現ピロリ菌の作成に至っていない。今後は。シャトルベクターであるpHel2を使用してCre発現ピロリ菌を作成する予定である。
ピロリ菌PMSS1株のゲノム相同組み換えに成功しなかった問題を解決するため、シャトルベクターpHel2による問題解決を予定している。
すべて 2015
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Infection and Immunity
巻: 84 ページ: 562-572
10.1128/IAI.01437-15.