平成29年度は、これまでの研究実績である1)MAP1LC3A遺伝子がプロモーター領域のDNAメチル化で制御されていること、2)そのDNAメチル化はHelicobacter pylori感染によって、胃粘膜に誘導されること、3)ラット正常胃粘膜細胞の実験において、map1lc3a遺伝子をノックダウンすると、オートファジーが誘導される環境(血清なし)で、細胞増殖能、遊走能、浸潤能が亢進すること、から、Helicobacter pylori感染による胃発がんのメカニズムとして、ヒト胃粘膜でのMAP1LC3A遺伝子のDNAメチル化による不活性化(メチル化サイレンシング)があること、と合わせて、"Autophagy impairment by Helicobacter pylori-induced methylation silencing of MAP1LC3Av1 promotes gastric carcinogenesis"のタイトルで、International Journal of Cancerに発表した(Int J Cancer. 2017 May 15;140(10):2272-2283.)。 また、第14回日韓合同ヘリコバクター感染シンポジウム(2017年4月8日、ソウル)で研究成果を発表し、Distinct Poster Awardを受賞した。第23回日本ヘリコバクター学会学術集会(2017年6月30日から7月2日、函館)で研究成果を発表し、上原H.pylori賞(最優秀賞)を受賞した。第25回日本消化器病関連学会週間(2017年10月12日から10月15日)で研究成果を発表した。
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