本研究ではElastase1Creマウスを用いて膵臓の遺伝子改変を行うことで、腫瘍部に遺伝子変異を認め、非腫瘍部に遺伝子変異を認めない新規膵発癌遺伝子改変マウスの作成に成功した。膵発癌マウスに対してアミノレブリン酸(5-ALA)を静脈投与し膵凍結切片における5-ALA中間代謝物であるプロトポルフィリン(PpIX)の集積を蛍光顕微鏡で評価したところ、癌部だけではなく前癌病変であるPanINsにおいてもPpIX集積が確認された。今後、正常部とのさらなる比較検討が必要であるが、膵前癌病変の検出に5-ALA中間代謝物が有用である可能性が考えられた。
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