非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis: NASH)は、肝硬変、肝臓がんを発症する肝疾患である。食事由来の飽和脂肪酸は、NASHにおいてその重要な危険因子である。本研究では、その小腸における食事由来飽和脂肪酸の吸収動態を評価し、以下を明らかにした。(1) 小腸での飽和脂肪酸吸収は、NASH患者のほうが健常者よりも増加している。(2) (1)の理由に、小腸粘膜上皮における脂肪酸吸収関連蛋白(MTTPとglycosylated CD36)の発現増加の関与が示唆された。 この結果によって、NASHの新しい治療標的を見出した可能性がある。
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