パルミチン酸投与は、普通食負荷マウスではALT上昇は起こらないが、高脂肪食負荷マウスではALT上昇を起こすことを示した。腸管由来のエンドトキシンがALT上昇の因子であった。パルミチン酸および超微量LPSの投与はアポトーシスを起こし有意なALT上昇を引き起こすことから、パルミチン酸とLPSが共同することが示唆された。さらに、パルミチン酸はTLR4経路を介したケモカイン発現により肝臓に炎症細胞浸潤を引き起こすこと、さらには微細な肝線維化を起こすことを示した。私たちの結果は、NAFLD治療には腸管由来のエンドトキシンの低減のみならずFFAの低減が必要であることを示唆している。
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