研究課題/領域番号 |
15K19344
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
南野 弘明 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 医員 (40597556)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | GVHD |
研究実績の概要 |
骨髄移植後100日以内の、早期消化管GVHDが疑われる症例に対して、上部消化管内視鏡検査および下部消化管内視鏡検査を同日に施行し、食道・胃・十二指腸・回腸(末端)・S状結腸・直腸の粘膜状態を観察する。内視鏡観察に引き続き、生検組織を採取し、内視鏡的・病理組織学的に検討・評価する。また生検組織を用いて、サイトメガロウイルスやアデノウイルスなどのウイルス感染ならびに炎症性サイトカイン・ケモカインネットワークの関与について検討する。 検査は、原則としてミダゾラムによる十分な鎮静下で行う。まず下部消化管内視鏡検査を施行し、その後続けて上部消化管内視鏡検査を施行する。検査中の送気には、二酸化炭素送気を用いる。二酸化炭素は消化管壁より速やかに血中に吸収され、バイタルサインに大きな変動をきたさず、腹満感を軽減させることがすでに報告されており(林ら、Gastroenterological Endoscopy, 2012)、 全身状態の不良が予想されるGVHD 疑診患者にとっては、有益であると考える。これら工夫により、できるだけ患者の身体的負担を軽減させながら、本研究を進めることにする。 なお、検査前処置として、通常通りの緩下剤内服と腸管洗浄剤内服を併用して行う。 結果、16例のうち、11例でGVHD症例がみられた。 現在、生検組織を用いて、サイトメガロウイルスやアデノウイルスなどのウイルス感染ならびに炎症性サイトカイン・ケモカインネットワークの関与について検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
急性消化管GVHDの早期診断におけるバイオマーカー・治療効果予測因子を見いだすべく、統計学的検討を行う。なお、炎症性サイトカイン/ケモカインネットワークなど、分子生物学的な方面からも、回腸(末端)・S状結腸・直腸・食道・胃(前庭部と体部)・十二指腸の各部位において再度評価し、最終的に消化管GVHDにおけるoptimal siteを確立するために、引き続きこれら研究を行う。
分子生物学的手法により、発現が高かった炎症性サイトカイン/ケモカイン・接着因子については、採取した生検組織の免疫染色を行い、それら局在についても検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画よりも、実際には費用が掛からず、繰越が可能であった。
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次年度使用額の使用計画 |
今後も試薬を中心に、必要分を使用する。
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