ミニマル肝性脳症(MHE)を認める肝硬変患者群では、ミニマル肝性脳症認めない(nonMHE)肝硬変患者群と比し、脳内グルタミンの増加と脳内ミオイノシトールの減少が顕著に認めた。MHEの発症予測因子を検討し、血中アンモニア値の上昇、血清総カルニチンと血清アシルカルニチンの比、クレアチン値の上昇、eGFR値の低下が予測因子になることを示した。脳内のdiffusion kurtosis imaging (DKI)を測定し、mean kurtosis (MK)が被殻においてMHE群ではnonMHE群と比較し減少していることを見出した。上記の結果からMHEの発症機序の解明を一歩進めたと考えられた。
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