本研究では、炎症性腸疾患のリスク遺伝子であるLRRK2と高脂肪食の相互作用による腸炎発症メカニズムを解析した。消化管におけるLRRK2の発現分布を解析したところ、LRRK2はおもに大腸の粘膜固有層および筋層間神経叢に局在することが分かった。次に、腸管透過性を比較した結果、高脂肪食摂取群とLRRK2ノックアウトマウス(LRRK2-KO)で腸管透過性が有意に低くなった。さらに、DSSとTNBSによる大腸炎を比較したところ、高脂肪食摂取群で炎が軽減される傾向にあり、LRRK2-KOではDSS腸炎が悪化した。これらのことから、LRRK2は腸管自然免疫に関わることが分かった。
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