研究課題
ヒト消化器がん(大腸、胃,肝臓,膵臓)患者から採取した生検組織から、我々の確立した方法( Sato T et al. Nature 2009, Jung P, Sato T et al. Nature Medicine 2011)でがんオルガノイドを培養・増幅し,遺伝子操作技術を用いて蛍光蛋白レポーターA遺伝子座位へのノックインし、がん幹細胞の可視化技術を確立した。その可視化した細胞を用いて、High Throughput Screening (HTS)を行った。具体的には可視化した上皮オルガノイドを384 wellプレートにCell Soterを用いてSingle sortし、High Contents Analyzer (In Cell analyser 6000)を用いたHigh Throughputの化合物スクリーニングを確立した.可視化した消化器がんオルガノイドに対し, 364種類のProtein Kinase Inhibitor (PKI) libraryを用い,High Throughput Screnning(HTS)を行った結果、各消化器がん幹細胞に効果を有する薬剤がいくつか得られた(未発表)。
2: おおむね順調に進展している
患者由来のヒト消化器がん(大腸、胃,肝臓,膵臓) のオルガノイド培養に関しては安定した技術を確立できており幹細胞の可視化にも成功してている。<br />また、効率的かつスピーディなHigh throughput化も可能となっていており、解析までの一連の流れをスムーズに行う事が可能となっている。
可視化した消化器がん幹細胞を用いて、高速かつ迅速にHigh Throughput Screnning解析の結果をもとに、消化器がんオルガノイドの形態形成・増殖因子依存性・遺伝子変異プロファイルのシステム医学的解析に基づいた、分子標的治療薬のin vitroにおける効果予測を行っており、今後、個々の患者に最も適した分子標的治療薬の個別化治療の基盤の確立を目指す。
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Cell Stem Cell
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Nature Medicine
巻: Volume21 ページ: 256-262
10.1038/nm.3802