研究課題/領域番号 |
15K19351
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
森 悠一 昭和大学, 医学部, 助教 (20459209)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 自動診断 / 人工知能 / 大腸内視鏡 / 内視鏡 / コンピュータ診断支援 / アルゴリズム / 大腸ポリープ |
研究実績の概要 |
本研究は、大腸内視鏡医をサポートする自動診断システムの実用化を目的とする。「均てん化された内視鏡診断」は、医療レベルの底上げをもたらすだけでなく、病理検査の減少による医療費抑制にも貢献するため、その実現が待望されている。具体的には、本課題においては、超拡大内視鏡”endocytoscopy”を使った大腸ポリープの自動診断システムを構築、その完成度を実用化レベルにまで昇華させることを第1の目的とする。第2の目的としては、精度についての客観的評価を臨床研究の形式で行うことがある。 研究初年度の前半期において、名古屋大学情報連携統括本部(森健策教授ら)と共同し、診断アルゴリズムの改良を行った。この改良の結果、in vitroの解析では腫瘍/非腫瘍の鑑別能は95%以上の正診率を達成することができた。 研究初年度の後半期においては、完成した自動診断システムを評価する目的にて臨床試験を立案、実施した。臨床試験のデザインはweb上に内視鏡画像を対象とした試験問題を作成し、それを自動診断システムおよび内視鏡医により回答してもらうweb試験である。本試験においては、より客観的評価を行う目的で、評価する医師は本邦以外に香港・オーストラリアの3か国の内視鏡医から合計13人が選別された。試験およびその結果の解析については既に終了しており、現在、英文誌に結果を投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
診断アルゴリズムの改良及び国際web試験の実施については、研究計画書においても初年度に行う予定となっており、現在のところ当初の計画どおりの研究進捗状況である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(研究最終年度)については、国際web試験の結果の英文誌アクセプトを目指すとともに、国内外の学会にて本研究についての学術発表を行う予定である。また、副研究として計画している潰瘍性大腸炎患者におけるdysplasiaに対する自動診断システムの構築について、探索的介入を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が順調に進捗し、web試験実施に伴うプログラミング代金・webページ管理代金が想定の90万円よりも安い756000円であったため、余剰の約15万円が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
余剰の約15万円と次年度の交付予定金を合わせ、主に潰瘍性大腸炎にたいする自動診断システムの構築に向けて、探索的な研究を行うことに費やす予定である。
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