研究課題
本研究は、大腸内視鏡医をサポートする自動診断システムの実用化を目的とする。「均てん化された内視鏡診断」は、医療レベルの底上げをもたらすだけでなく、病理検査の減少による医療費抑制にも貢献するため、その実現が待望されている。申請者らはコンピュータ支援により客観的診断が実現するのではと考え、先行研究で超拡大内視鏡”endocytoscopy”を使った大腸ポリープの自動診断(=病理予測)システムを開発した。本課題では、新たに情報科学のトップリーダーの名古屋大学森健策教授と連携することで、先行研究で到達しえなかった「専門医を超える」精度を達成し、内視鏡自動診断の実用化を目指した。具体的には、H27年度前半に自動診断システムのアルゴリズム改良を行い、その結果をH27年度後半に行った国際web試験で評価した。国際web試験は、日本だけでなく、香港、オーストラリアの医師合計13人をリクルートして実施、自動診断システムが腫瘍/非腫瘍の鑑別において精度(正診率)89%, 高自信例の時には、精度(NPV)93%と臨床で十分に使用可能な能力があることが検証できた。(Mori et al. Endoscopy 2016 48:1110-1118)。今後、前向き試験にて実臨床における有用性を確認する予定である。なお、潰瘍性大腸炎の炎症評価を目的とした自動診断システムについては、プロトタイプモデルの作成は終了したが、精度評価を行う段階には至っておらず、今後の課題と考えている。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
Int J Comput Assist Radiol Surg
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1007/s11548-017-1542-4
Endoscopy
巻: 48 ページ: 1110-1118
10.1055/s-0042-113609
Gastroenterology
巻: 150 ページ: 1531-1532
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