研究課題
マウスに心筋梗塞(MI)モデルにおいて左室内腔の拡大、左室駆出率の低下を認めた。また、組織学的に非梗塞部心筋における心筋細胞肥大、間質線維化、アポトーシスの亢進を認めた。電子顕微鏡によるミトコンドリア形態の解析を行った。心筋梗塞作成28日後の非梗塞部心筋細胞におけるミトコンドリアサイズは減少し、ミトコンドリア数は増加していた。また、非梗塞部におけるDrp1とMitofusin1の蛋白発現レベルをWestern bllot法にて評価した。Drp1とMitofusin1の蛋白発現レベルはいずれもMIとshamマウスにおいて有意差を認めなかったが、Mitofusin1はMIマウスにおいて高い傾向であった(約1.4倍、P=0.1)。さらに、非梗塞部心筋においてミトコンドリア形態制御因子であるOPA1、Fis1の蛋白レベルを評価したところ、MI群でsham群に比べて有意差はなかった。一方、Drp1の活性はリン酸化で制御されているが、Drp1を抑制するリン酸化には低下していた。MI作成14日後の非梗塞部におけるミトコンドリア形態制御蛋白の発現も28日後と同様の傾向であった。次に心筋リモデリングの進展において重要な神経体液性因子であるアンジオテンシンII(AngII)刺激によるDrp1の変化およびNox4によるDrp1制御について検討を行った。AngII刺激により培養心筋細胞においてDrp1は活性化した。一方でNox4阻害剤であるGKT137831投与により、AngII誘導性のDrp1活性化は抑制された。Nox4はDrp1活性制御因子であることが示唆された。
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Journal of Clinical Investigation
巻: 126 ページ: 3403-3416
10.1172/JCI85624