慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)患者の血栓は線溶能が低下しており、血漿中Thrombin-activatable fibrinolysis inhibitor(TAFI)の抗原量及び活性化が上昇していた。さらにCTEPH患者ではTAFIの抗原量を増加させるSNPsが認められた。また、活性化TAFI阻害剤やプロスタグランジンE1によりCTEPH患者の線溶能が改善した。 また、TAFI過剰発現マウスを低酸素暴露することにより、肺動脈内の器質化血栓と著しい肺高血圧症の増悪を認めた。さらに、平滑筋細胞にTAFIを投与することで増殖能が亢進し、CTEPHの末梢病変形成にも関与していると考えられた。
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