好中球は、自身の細胞死による核酸と抗菌タンパクを構成内容とする網目状の捕捉構造を形成し(好中球細胞外トラップneutrophil extracellular traps:NETs)、細菌を捕捉・除去することが知られている。本研究では、急性心筋梗塞おけるNETsの役割を検討した。NETs形成障害を呈する好中球エラスターゼ欠損マウスに心筋梗塞を作製したところ死亡が有意に減少し、抗炎症性サイトカインが増加することが明らかとなった。また野生型マウスへのエラスターゼ阻害薬の投与により心筋梗塞の予後が改善した。以上より、NETsの存在はAMI急性期では炎症促進性に働き病態悪化に関与することが示唆された。
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