「慢性心不全患者への心臓リハビリテーションに併用する分枝鎖アミノ酸(BCAA)製剤の有効性・安全性を探索する研究」として、臨床試験のデザインを構築することから開始した。対象疾患は慢性心不全患者とし、選択基準として①通院・監視型心臓リハビリテーションプログラムに参加する患者、②65歳以上、③左室収縮不全(EF<40%)もしくは、拡張不全(E/e'>15)、除外基準として、①アミノ酸代謝異常のある患者、②心臓リハビリテーション禁忌の患者、③妊娠・授乳中の患者。④その他、責任医師・分担医師が不適当と判断した患者とした。試験デザインは、上記疾患に関する並行群間ランダム化比較試験としており、主要評価項目は、Baselineと20週間の試験薬投与期間終了後の、心肺機能検査でのAT WORK LOADの変化率とした(サンプルサイズは48名)。東京大学医学部附属病院臨床試験審査委員会において、2015年10月2日に承認され、その後、UMIN-CTRにUMIN000019601として11月2日に登録した。臨床試験の品質を高め、信頼性ある臨床試験とするべく本試験においては、Pharma Consulting Group社ViedocシステムおよびUHCT ACReSS二つのElectronic data captureを構築し、初回登録時と試験薬投与時期終了後の追跡期間の開始時の、二度の最小化法によるランダム化を可能とした。種々、統合指針改正後のモニタリング等の品質管理活動に対する対応を行い、2016年9月1日に被験者登録を開始した。現在初回被験者が試験薬投与期間を終了し、追跡期間に入っている。これまで本試験において、重篤な有害事象は認めていない。
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